えれぴょんが離したリボン

チームK6thRESET公演、最後の最後に引っ越しました、という楽曲がある。その最後にメンバーが一列になり、客席に向かってリボンを投げるシーンがある。そもそもこの楽曲が、離れていても繋がっている、想っているよ、という心情を歌った楽曲なのだけど、その最後にリボンを投げてそれがステージ上のメンバーと客席を繋げている事でその曲の意味を確かなものにしている。というのが僕の見解なんだけど、9月27日のK公演、えれぴょんAKB48卒業公演で、彼女はそのシーンでリボンを自分の手の平から離し、客席へ渡した。この曲を聴いているとチーム改変の事とか思いだして無条件で泣きそうになってしまうのだけど、彼女の手からリボンが離れ、他のメンバーが自分と客席の間にリボンを渡して歌っている中、マイクだけを持って歌うえれぴょんの姿を見て涙が止まらなかった。曲の終りに全員分のリボンを纏めて、客席と繋いだままステージ上に置くのだけど、客席には16本あるはずのリボンがステージには15本しかないんだって、その事に気付いたら止まらなかった。彼女はこの場所から旅立って行くのだなあというのがじんわりと心に沁みてきた。えれぴょん卒業しちゃうんだって、それだけポツンと思った。
えれぴょんがどんな思いでリボンを離したのかは分からない。だけどきっとそういう事なんだと思う。昨日までのチームK16人がこの先ステージ上に揃う事はないけれど、今日来てくれた、見てくれている人たちの中にはずっと、16人のチームKがいるよって、そう伝えたかったんじゃないかなって、僕は勝手にそう思ってる。えれぴょん、旧も新も元も現も関係なく、チームKのみんなちゃんと心の中にいるから大丈夫。大丈夫だよ。君が離したそのリボン、ちゃんとしまっておくからね。