その昔、こんにちわ計画の人々で勝手にお話を作っていました。


なあ、松浦よう。


何ですか?あ、ていうかちょっと待ってください。


なんだ


私もう松浦じゃないですよ、名字変わったんで。


なんだそんな事、お前ね、昔はそんなちっちぇ事気にしなかったのにアレかい、名字が変わったら性格まで変わっちまうのか、あーやだやだ、吉澤さんはそんなヤツ嫌いだね。


んふふ、吉澤さんは相変わらずですね。


おう、わたしはいつでも私だからな。


それで、何ですか?いきなり呼び出すなんて。


あー、それなんだが、その、あれだ、まあ、うん、なんて言うのかな、そのー・・・


結婚、おめでとうございます。


てめっ、っばっきゃろう、まだ結婚してねーし!しよっか、みたいな感じだし!まだしてねーよばか!


もー、うるさいなぁ。でもするじゃないですか。


ぁあ?そっ、そーだよ、するよ、するけど、でも、その、あー、うん、、、なんつーか、そーゆーことだよ。


んふー、おめでとうございます。


・・・おう。


で、どうしたんですか?


え?いや、別に。その、一応報告しといてやろうかなと。


うそだぁ、それだけじゃないでしょう?


う、嘘じゃねーよ!それだけだよ!だから、そういう事だからな、じゃあな!


・・・大丈夫ですよ


はぁ?何がだよ、大丈夫だよあたりめーだろ何言ってんだお前は相変わらず訳がわからないね。


もう、意地張っちゃって、吉澤さんいい加減大人になったらどうなんですか?


ばか、私は大人だよ。それにね、いつか言ってやろうと思ってたんだが私の方が年上だぞ!もう何年も前からずっと言おうと思ってたけどね、私の方が大人なんだよ!


・・・ガキか。


ぁあ?今なんて言った、許さんぞ!


あー、はいはい分かりましたから、吉澤さんの方が大人ですよ、一個上ですもんね、私よりババアです。


こんにゃろ、今日は殴らないって決めてたけどやめた、お仕置きすんぞ!


まぁまぁ、落ち着いて、いい加減やめましょうよ、お互い大人なんですから。


むぅ、しょうがない、許してやる。


で、本当はどうしたんですか?


はぁ?本当も何も、別になんでもないよ、ただの報告だよ。


吉澤さん。


・・・あー、もう。何だよお前は・・・はぁ、ぶっちゃけ、ちょっとビビってる。


・・・相変わらずチキンですね。


殴る。


うそうそ、ごめんなさい、殴らないで!


・・・冗談だよ。


何が怖いんですか?吉澤さん、ちゃんと幸せになる権利があるのに。


何だよ幸せになる権利って、権利がない奴もいんのかよ、不公平だなこの世の中は。


もう、細かい事はいいんです。私が吉澤さんに幸せになる権利をあげるんです!


へー、とんだお偉いさんだねぇ、ご立派ご立派。


ふざけないでください、私真面目ですよ?吉澤さんは、ちゃんと幸せにならないといけないんです。だから、ビビったりしなくていいんです!


何だよ、何でお前に私の人生決められなきゃいけんのだ、理解不能だ、全くわからん。


理解不能でもいいの、吉澤さんは、私が好きだから幸せにならないといけないんです。


・・・や、そういうの、困るんだけど・・・


ばかっ、変な意味じゃなくて!もう、面倒くさいな、自分が好きな人が幸せになってほしいって、そう思っちゃいけませんか?それだけです!


いや、悪くないけど、何だよきもちわりいな、いつも変だけど今日のお前は特にヘン。


ヘンでも何でもいいです、とにかく、吉澤さんはビビったりしないで欲しいんです!


いや、そんな事言われても。それに、なんか・・・やっぱこわいし。・・・大切なモノが増えるって、つまり、そーゆー事だろ。


・・・吉澤さんは、なーんも変わってないですね。


はぁ?変わったよ、少なくともちょっとは大人になったし歳もとった。


変わってないですよ、何でもぜーんぶ1人で抱え込もうとして。全然、何にも、一つも変わってません。ま、そーゆートコが長所であり短所であり好きなトコなんですけどね。


え?何?もう一回言って?


二度と言いません。


ちぇっ、録音しときゃ良かった。


・・・もう、いいんですよ、そういうの。


はぁ?何が。


結婚って、そういう事なんですよ。


はぁ、お前は何だか抽象的過ぎて訳ワカメちゃんだな。


1が2になるって事ですよ。


当たり前だろ、結婚すんだから。


あーもう、吉澤さんってやっぱ本当に変わってない、バカのまんま。


お前な、吉澤さんは一個上ですよ?


・・・はぁ、もう面倒くさい。


いや、うん。大丈夫だ、分かってる。すまん、ふざけた。


ほんとに?


ああ。だからお前のトコに来た。


そうですか。


・・・私は、大丈夫かな?


大丈夫です。保証します。


・・・偉くなったな


結婚に関しては、先輩ですから。


確かに。


・・・吉澤さん。


何だ。


私、吉澤さんの事好きですよ。


・・・知ってたよ。


だから、ずっと笑っててください。


・・・そりゃ厳しいな、辛くなったり悲しくなったりタマネギ切ったりするからなぁ。


もう、ふざけないで。


うん、ゴメン分かった、善処しよう。


吉澤さん、大丈夫ですから。


うん。・・・なんで泣く。


泣いてないです。


・・・お前も、なんも変わってないよ、意地っ張りで、強がりだ。


泣いてないです!


わかったわかった、泣いてない、泣いてないよ。


・・・吉澤さん。


ん?


幸せになって下さい。


うん。


おめでとうございます。


・・・ありがと。


それじゃあ。


おう、またな。












おめでとう、さようなら。僕の中の後藤さん、吉澤さん、石川さん、藤本さん、松浦さん、辻さん、加護さんその他沢山の制服を着た女子高校生達。永遠の春は終わって、其々の現実を歩き出す、歩き出していた者に追いついて、羽ばたいていく。みんな、しあわせになってくれ、大好きだった女の子たち、僕の春を、一緒に歩いてくれた女の子たち。ありがとうね、さようなら。