silent cry

同じ女性を愛してしまった二人の男。しかし女性は二人の目の前で突然殺されてしまう。一人の男は愛する者を失う悲しみをこれ以上他の者に与えてはいけないと、人々を救う。一方の男は愛する者を失う悲しみを皆にも知らしめてやると、人々を襲う。やがて二人は導かれるようにして再び出会い、対峙する。男は問う。「お前は間違っている。これ以上悲しみを与えてどうするのか、虚しくはないのか」もう一人の男も問う。「お前こそ間違っている。救ったところで必ず死は訪れる、虚しくはないのか」そして二人は互いに言う。「救ったところで、襲ったところで、彼女は二度と戻ってこない」そこへ何者かが現れて言う。「お前たちは二人とも間違えている。過去など忘れて前へ進むべきだった、何をしたところで死人は二度と生き返らない。過去に縛られ沢山のモノを犠牲にしてきたお前たち二人の生き方には虚しさしか残らない」二人の男が新しく人生を始めるには余りにも時が経ち過ぎていた。